日々のつぶやき

2009-03-31

メロスのように

キラ☆キラ:火曜日。
昨日より面白い気がするのは、やっぱりディレクションなしに丸投げしたパートナー次第なのね。ただしコウタリンの力量よりも、そのM属性おやじキャラと、小島慶子の心の奥で人を見下した委員長キャラとの噛み合わせが良いのだろう。いやー小島アナたまらんね、あの人を人とも思わぬ適当なあしらい方! しかも「温泉で猿に欲情された/微妙に種が近い/しかも全裸/危険!」だの、「(『走れメロス』のような友情話を受けて)メロスって最後全裸なんですよね……」だの、「恐怖も快感も人と分かち合ってこそ!」だの「子供2人生んでますから」だの、なにそのマニアックなエロトーク。そういう狙いなのか。私を狙い撃ちか。くそう。
さて名残惜しいが飯食いに。

2009-03-30

(非)セレクトショップの(無)思想

上石神井魚角にて、新メニュー「まぐろかま肉の黒胡椒焼き定食」割引チラシ780円の夕食。これは当たり。骨付き肉は概ねなんでも美味い。そういや牛角食堂なくなってたなあ。たまに近くのアニメ製作会社の人が飯食いに来てたみたいで、ボンズの馬鹿制作による例のスタッフ評を肴にしてるのを、聞くともなしに聞いたりした。内容は忘れた。

時間が遅いのでドトールは通り過ぎ、ブックオフに寄り猟盤。
ブックオフのCD棚には「ジャンル分け」というものがない。実際には「邦楽」「洋楽」「懐メロ」「キッズ」「ジャズ」「クラシック」のような区分はあるが、これは分類というよりも対象年齢別の陳列というべきものだろう。客の年齢層と価格がブックオフにとって唯一の基準であり、そこには店側のリコメンドも、熱い思いを綴る店頭POPもない。一部の「良い音楽」を浮上させるために「悪い音楽」の措定と排除を要求する、選別の思想がここには見られない。無論「売れるもの」と「売れないもの」の区別はあるが、それを決めるのはPOSシステムと世間智であり、間違っても個人の美意識ではあるまい。
店内のBGMも、名も知らぬ数年前のJ-ヒップホップやR&Bの次に、ブリーフ&トランクスが流れるカオス状態。仮に意欲的な店員がDJ気取りで恰好良い選曲をしたりした日には、確実に売り上げが落ちるだろう。別に聴きたくもない音楽を(文字通り)無差別に、強制的に聴かされる体験は貴重なものなのだ。Jポップの新曲を最初に聴くのは松屋の店内だ(以前は銭湯でもよく聴いた)。そのくせそのほとんどは印象を刻むことなく通り過ぎていく。「家具のような音楽」の完璧な実践がここにある。ブックオフと松屋、昼間のAM放送は、いま私が最も安らぎを感じるサウンドスケープだ。

そんなふうに音が左右の耳の穴を通り抜ける間に、以下各500円にて購入。

V.A./SUPER HITS OF THE '70S - HAVE A NICE DAY, VOL.2 ('90)
※ライノレコードによる70年代ヒット曲選集の70年度編
FLEETWOOD MAC/KILN HOUSE ('70)
CAFÉ CUBANA/CIGAAS,CARS & CUBAN BARS ('02)
※キューバ音楽コンピ
SYSTEM7/GOLDEN SECTION ('97)
ANDY PARTRIDGE/FUZZY WARBLES 2 ('02)
村田陽一ソリッド・ブラス『DECADE』(01年)

昼食

ミートソースのスパゲティ(茄子入り)、豆腐と卵のスープ。椎茸を薄切りにし生姜輪切りとともに酒と醤油で煎り付け、水を加え加熱、平たく切った絹豆腐・細切り葱・白だし・中華スープ・胡椒を適量加え、火が通ったら火を弱め溶き卵流す。水溶き片栗粉で綴じて完成。市販調味料の嵐だが簡単なのでお薦め。

小島慶子 キラ☆キラ

http://www.tbsradio.jp/kirakira/index.html
終了した『ストリーム』の後継番組。前番組のサブカル/政治色は後退したように見えるが、それも各曜日のパートナーやコラムニスト次第なのだろう。それにしても出演者の顔触れから「路線は維持しつつ局アナ起用によるコストダウン」程度に考えていたが、蓋を開けてみると「普通のAMトークラジオ」としてあまりにも昼の時間帯にはまっている。逆に『ストリーム』がいかに浮いていたかを認識させられた。
個人的に小島アナは女子アナ陵辱AVの主役に起用したい程度に好感度が高いので、この番組も楽しみに聴くでしょう。

2009-03-27

買い物メモ

森島明子『楽園の条件』(一迅社)
平尾アウリ『まんがの作り方』(徳間書店)
山田穣『がらくたストリート』1巻(幻冬舎)
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫)
以上ブックオフにて各350円。
『夜は短し』は以下の2エントリが興味深かったので。
http://ameblo.jp/nayuka-mine/entry-10227568801.html
http://d.hatena.ne.jp/Trou/20090323/p1
所感あれば読了後に追記。

2009-03-23

会えない時間が愛育てるのさ

渋谷にて朝イチの用を済ませた後、帰りの井の頭線を途中で降り、井の頭公園を抜け、上水のほとりを三鷹まで歩く。ほころびはじめた桜、マゼンタそのままの桃、早くも散りつつあるコブシなど、心地よくも花粉を含んだ風に吹かれつつ、前倒し気味の春を全身で楽しむ。鼻がつまっているので香りは希薄だけれど。

鈴木茂が大麻不法所持で逮捕され、はっぴいえんどを始めとする関連作品のリリースと流通が一斉に止められた。
そのことの是非は措き、私が思い出したのは70年代後半に、やはりはっぴいえんどの作品が入手困難だった一時期があったということだ。

もちろんその理由はメンバーの不祥事などではない。URCレコードの活動停止後に販売元となった東宝レコードが倒産し(※)、権利がSMSレコードに移行するまでの期間、「ゆでめん」や『風街ろまん』は音楽市場から消えていた。
その不在期間が後追いのファンの飢餓感を煽り、幻のバンド・はっぴいえんどの伝説化を助長したのではないかと想像する。中古盤を探すか、ラジオを偶然耳にするか、先輩や友人の所有するレコードを回し合うしか直接に音に触れる手段のない状況下に、商業作品の流通とは別の回路で伝説は維持され育てられていたのだ。

私が初めてはっぴいえんどの音に触れたのも、そのような時期に放送された、森永博志氏担当『サウンド・ストリート』でのはっぴいえんど特集によるものだった。初めて聴いた「はいからはくち」の大瀧詠一の異様なヴォーカルや松本隆の言葉の毒、そして鈴木茂の鋭く切れ込むギターには、わかりやすいロックの魅力が溢れていた。だが、より深く印象に刻まれたのは、細野晴臣作品「夏なんです」の、白い闇にも似た底知れない空虚の広がりだった。安全で微温的な「喫茶ロック」として消費される21世紀のはっぴいえんど像とは違う、アングラの香りがそこにはあった。

今、奇しくも同じようにはっぴいえんどの作品が市場から消えつつあるなかで、若い音楽ファンが初めてその音楽に接するのは、YouTubeやニコニコ動画の「作業用BGM」であるかもしれない。音域の限られた動画ファイルから流れるはっぴいえんどは、かつてモノラルの深夜ラジオから溢れ出した剣呑さを、ロック親父御用達の高音質紙ジャケCDから奪い返すことができるだろうか。
その音源がよりにもよって徳間ジャパンの、ある意味でレアなリミックスを施されたボックスセットのものだったとしても。

※この東宝レコードの倒産により入手不能となった四人囃子の名盤『一触即発』(74年)には、80年代末にCD復刻されるまで中古市場でプレミアが付いていた。

買い物メモ:書籍編(1〜3月 順不同)

といっても本は全然読んでなかったり。困ったもんだ。

米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件』上・下巻(創元推理文庫)
小市民シリーズ第3作。瓜と狐の間には、たった3画にして超えられない壁が存在することを、狐のつもりが瓜でしかない読者に思い知らせる話。私は瓜の側に立つ(不本意ながら)。

堀江敏幸『おぱらばん』(新潮文庫)
折々のできごとが導く書物の記憶が、過去や異郷の記憶を連れてきて、今ここにいることの自明性が揺らぎ出すという作者のいつものアレ。その語りの胡散臭さも含めた完成度は本作が最も高いかも。
そんなことよりいつものアレといえばコレ。

あるいは事件以来たびたびすれ違っていた、黒い髪のロシア娘に年甲斐もなく恋したとでもいうのだろうか。(略)
彼女をください、あれは私の少女です、洋梨を盗んだ私の少女なんです……

毎度ながら、堀江先生のガチロリっぷりには頭が下がります!

あと自分で買った本じゃないけど、実家にあったので。

トム・ロブ・スミス『チャイルド44』上・下巻(新潮文庫)
スターリン体制下のソ連では存在しないはずのシリアル・キラーを追う捜査官の苦闘を描いて大変面白かった。とはいえ、これはやはりロシア人によって書かれるべき物語でなかったかとは思う。作者が20代イギリス人のテレビ脚本家ということを知れば「歴史の後出しジャンケン」というか「お笑い北朝鮮」的な色眼鏡を感じなくもない。本書がロシアで禁書扱いとなったのは、政治的脅威よりも「俺たちがスターリンを批判するのはいいが、お前らが笑いものにするのは許さん!」という愛国心の発露ではあるまいか。

2009-03-22

買い物メモ:CD編(1〜3月 順不同)

バンバンバザール『+』(05年)
クラムボン『まちわび まちさび』(00年)
同『ドラマチック』(01年)
シンバルズ『ザッツ エンタテインメント』(00年)
スクービードゥー『ビューティフル デイズ』(04年)
フライングキッズ『ホームタウン』(95年)
Jungle Smile『林檎のためいき』(98年)
高野寛『相変わらずさ 〜Best Songs 1988-2004〜』(04年)
Char『CHARACTER』(96年)
坂本龍一『グルッポ・ムジカーレII』(93年)
以上、帰省先の函館で、文教堂のレンタル処分ワゴンから10枚千円にて購入。シングルCD20枚で500円というワゴンも隣に並んでいたのだが、何せ20枚単位でしか売ってくれないという強者ぶり。冨田ラボの手がけた鈴木亜美のCDとか欲しかったんだけど、そのためには無用な19枚のCDを購入しなければならず断念(レンタルのステッカーが貼ってあるので転売も不可)。敷居が低いのか高いのかわからない。

MAHALIA JACKSON/HE'S GOT THE WHOLE WORLD IN HIS HAND ('87) ※50年代のライヴ盤。250円
BILLY PRESTON/THE BEST ('82) 500円
JELLYFISH/BELLYBUTTON ('93) 500円
FAUST/RAVVIVANDO ('99) 500円
生田敬太郎『風の架け橋』(74年)500円
Lamp『木洩陽通りにて』(05年)500円
以上ブックオフにて購入。

吉川忠英『こころ』(74年)1470円
ピコ『abc』(72年)1470円
オレンジ・カウンティ・ブラザーズ『ソープ・クリーク・サルーン』(77年)1050円
青山陽一『AOYAMA YOICHI SINGS WITH THE BLUE MOUNTAINS』(90年)625円
PANICSMILE『E.F.Y.L.』(98年)714円
ミッキー・カーティス『耳』(72年)945円
ラリーパパ&カーネギーママ『LASY ALBUM』(03年)473円
TAJ MAHAL/MO' ROOTS('74) 756円
以上、吉祥寺ディスクユニオンにて2度にわたり購入。

買い物メモ:漫画編(1〜3月 順不同)

岩本ナオ『町でうわさの天狗の子』3巻(小学館)
渡辺航『弱虫ペダル』4、5巻(秋田書店)
同『まじもじるるも』3巻(講談社)
同『制服ぬいだら』6巻(講談社)
蒼樹うめ『ひだまりスケッチ』4巻(芳文社)
かずまこを『純水アドレッセンス』(一迅社)
吾妻ひでお『地を這う魚 ひでおの青春日記』(角川書店)
イシデ電『月光橋はつこい銀座』(幻冬舎)
入江亜季『群青学舎』4巻(エンターブレイン)
岩岡ヒサエ『土星マンション』3、4巻(小学館)
紺野キタ『つづきはまた明日』1巻(幻冬舎)
林家志弦『はやて×ブレード』9巻(集英社)
岩原裕二『学園創世猫天!』5巻(秋田書店)
kashmir『デイドリームネイション』2巻(メディアファクトリー)
小玉ユキ『坂道のアポロン』3巻(小学館)
よしながふみ『大奥』4巻(白泉社)
勝田文『プリーズ、ジーヴス』1巻(白泉社)
石黒正数『それでも町は廻っている』5巻(少年画報社)
桂明日香『ハニカム』2巻(アスキー・メディアワークス)
中村明日美子『曲がり角のボクら』(白泉社)

ユリイカ』2009年3月号 特集*諸星大二郎(青土社)
あと、現在唯一の購読雑誌であるところの『週刊少年チャンピオン』

なじかは知らねど突然更新

とりあえず、今年買った諸々の記録などから。