日々のつぶやき

2008-04-27

昼食/夕食

折よく晴天にて朝から洗濯。冷蔵庫の中身を片付けるべくクリームシチュー作り、ヤマザキのレーズンロールと紅茶で昼食。午後に吉祥寺に出て散髪。連休で人が溢れているが床屋はほとんど待たず、約15分で完了。井の頭線で渋谷へ移動、代官山まで歩きライヴハウス「空豆」へ。帰宅後洗濯物を取り込み、残りのクリームシチューと西友で買ったサンドイッチで夕食。

震える半月の夜に再び

「震える半月の夜に再び」
2008年4月27日 於:代官山・晴れたら空に豆まいて
出演:Mio Fou(鈴木博文vo,g,b、美尾洋乃vo,pf,vln)/福原まりvo,pf

それなりにムーンライダーズのファン歴は長いのだけれど、鈴木博文とヴァイオリンの美尾洋乃とのユニットであるミオ・フーの音楽に、なぜか今まで触れてこなかった。その美尾ともかつてリアルフィッシュで活動を共にした福原まりのソロ活動にも、特に関心を向けたことがなかった。さらに、今回の共演の舞台となるライヴハウス「晴れたら空に豆まいて」にも、これまで足を運んだことはない。こういう何から何まで初めて尽くしのライヴはそれだけで楽しみだ。渋谷から徒歩で辿り着いた「空豆」は、代官山の中にできた高円寺の飛び地のような雰囲気で、酒の値段が安いのはありがたい。そう広くはない店内は、昔からのファンや関係者でいっぱいになっていた。

最初に登場したのは福原まり。メンバーは福原まりpf,vo、中原信雄b、グレート栄田vln、Lynne Hobday voという、アルバム『pieta』(07年)のレコーディングに参加した顔触れだ。力強くかつ繊細なピアノを中心に奏でられる音楽は、旧いヨーロッパへの憧れが結晶したような、かつてどこかにあったかもしれないフランス映画のサウンドトラックのような味わいがある。Lynne Hobdayの歌が加わると、音楽に秘教的な雰囲気が漂い出すが、いわゆる「偽ケルト」などという揶揄で片付けられない強度と深みがあった。ソロアーティストとしてのパフォーマンスながら、その強い情景喚起力には劇伴作家としての福原の個性と実力を想像させるものがある。
現在放映中のアニメ『あまつき』の音楽を福原まりが担当しているそうで番組のチラシも配られたのだが、MCで「皆さんの中にアニメとかお好きな方はいらっしゃいますか?」と訊かれたとき、私は手を上げることができませんでした(……)。いやまあそのあれだ。まあ実際『あまつき』は観てないんだけど、とりあえず音楽だけでも確認しておこう。

続いてミオ・フーの登場。たぶんいつもの鈴木博文のフォーキーな音楽をそれほど逸脱しないだろうと高を括っていたが、冒頭のインスト曲が始まるや否や、そうした貧困な想像は大きく裏切られた。夏秋文尚ds、多田葉子sax、美尾洋香vlnが加わった緊張感のある即興を交じえつつ、緻密に構成されたプログレッシヴな演奏は、レコメンデッド系のチェンバーロックのような趣だ。これは美尾洋乃の個性なのか、あるいは鈴木博文のザッパ好きな側面によるものか。博文氏の音楽もいつも通りといえばそうなのだが、ライダーズとはまた個性の異なるバンドサウンドの中で、意外に力強い声が美尾洋乃のノーブルな声と交差するヴォーカル曲には新鮮な響きがある。ジョン・グリーヴスとピーター・ブレグヴァドのバンド「キューローン」を想起させるところもあった。博文氏の爪弾くアコギの音色も素晴らしく、ミュージシャンとしての力量を再確認。美尾姉妹(そっくり!)のヴァイオリンの共演も楽しい。福原まりがアコーディオンで演奏に加わる場面では、80年代から続く紐帯の強さが感じられた。この日の会場には、福原まりと美尾洋乃のバンド仲間だった戸田誠司も訪れていたという。
アンケートに答えた人への特典として、手書きの曲解説とセットリストが配られた。これはアンケートの回収率を上げるよい方策だ。ライヴ終了後に急いで記入して入手したが、資料性とは無縁のブログなのでここには記さない。ライヴ中にメモを取る人がいたくらいだから、たぶん探せば見つかるだろう。

行きは渋谷から歩いたが、帰りはさすがに代官山駅へ。こんなに近かったのか!