その不幸すらも日記の材料とし、不幸と感じ取り得ないことが彼の不幸なのである。日記を書いていない人間だけが、生きることに専念することが出来る。生きることを、ひたすら生きるためにのみ、推進することが出来る。従って原則的なことを言えば、「正しい日記の書き方」などというものはない。日記は、あくまでも書かないことが正しい、のである。(別役実「正しい日記の書き方」『日々の暮し方』より)
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