日々のつぶやき

2009-04-10

けいおん!

http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/

唐突だが、かつての「ニューウェーヴ」にあった「物語性の否定=日常の価値の再発見」という側面を、いがらしみきお『ぼのぼの』を介して受け継いだのが「萌え4コマ」ではないか——というのが私の最近の仮説なのだが無理矢理か。いや、「ニューウェーヴ」→「ロリコンブーム」→「エロ同人/エロ漫画」→「萌え4コマ」というオタ文化の血脈を辿ると、あながち無理筋とも言えないのではないかと思うのだが。

で、私は京アニが選び取る「物語」というものにあまり興味がない。むしろ「非物語」を題材にしたときに(唯一かつ最大の)アドバンテージである「過剰な描写力」がものをいう。そんなわけで『けいおん!』という萌え4コマを京アニの技術力でアニメ化するということは、案外優れた「日常アニメ」を生み出す可能性のある好企画でないかと思うのだ。

ただし、萌え4コマの「空虚」に向かいあう姿勢において『らき☆すた』より後退した感は否めない。京アニの技術力をもってすれば「空虚な日常」の空虚さそのものを映像化できるのではないか、というのが、小ネタで客を釣りつつ山本寛が目論んだことに違いないのだ。『けいおん!』では吉田玲子という「プロの脚本家」を得て、原作の空しさを補完し、30分のエピソードを持たせられるだけの内実を与えてしまっている。

http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20090410/1239379848

いや、まっとうな作り手ならそうするに決まっているのだが。
とりあえず『けいおん!』は京アニ版『ひだまりスケッチ』ではなく、「最良の舛成孝二アニメ」に近いものになってくれることを期待しつつ観続けたい。
あと、誰かアホの子に「ギターはカスタネットとおんなじ!」とか教えてやってはくれまいか。バンドでグルーヴを作ることの楽しさを知るきっかけになるだろうし、何より「うん・たん!」が1度きりで終わってしまうのは惜しい。

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